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今月の本二年分~その四 終わりはいつじゃろか、編

アラビアの夜の種族

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)
(2006/07)
古川 日出男

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アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)
(2006/07)
古川 日出男

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アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)
(2006/07)
古川 日出男

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 ラビアンナイトを底本にした(らしい)、ファンタジー長編。一つの書物を中心に語られていく物語は圧巻。過剰とも言えるほどに言葉(そして、言葉遊び)を連ねて物語を作り出す古川作品の心地よさに存分に浸ることが出来ます。
 文章にはやや癖があり、突然語り口調が変わることに戸惑いを覚える人もいるかも。ただ、そんな欠点をかき消すほどに幻想に満ち満ちたストーリーが魅力的なので、是非とも腰を据えて読んでいただきたい一品でございます。

SOSの猿

SOSの猿SOSの猿
(2009/11/26)
伊坂 幸太郎

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 海獣の子供で知られる五十嵐大介とのコラボレーションから生まれた伊坂最新作。他人からのSOSを受信してしまう「私」や、物語をトリックスター的な立ち位置で語る孫悟空など、伊坂作品らしいヘンテコな要素が期待を煽ってくれます。実際、中盤までは広がりを見せていく世界観に胸躍らされます。この辺りの広がりは、伊坂というよりも五十嵐大介の作品が持つ懐の深さに影響を受けているのではないかな。底知れぬ世界観を持つ海獣の子供を思い出さずにはいられませんでした。
 ただ、広がりはそこでストップ。終盤になってもさしたる展開はなく、物足りなさが残ります。つまらなくはないけど、長編でやるネタでもないよね。
 もっとも、私は伊坂幸太郎は「プロットは素晴らしいけれど、膨らましきれていない作家」という認識なので、こんなものかなという感想を抱いてもいますが。
 魔王 JUVENILE REMIXのように、伊坂作品を膨らましきった傑作を見た後では尚更に。漫画や映画の原作を手がけた方が素晴らしい仕事をするのではないかなあ。

終末のフール

終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)
(2009/06/26)
伊坂 幸太郎

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 ほぼ、SOSの猿と同じ感想。ワクワクさせてくれる部分はあります。読みながら、「どうなるんだろう?」という興味を抱かせてくれる作家という点では、稀有な力を持っているとは思います。ですが、やはり「他の人がこのネタやれば、もっと膨らむんじゃないかな?」という想いも同時に生まれるわけで。
 もちろん、「面白いネタ」を考えられるだけで商業作家としては一流なんです。なんですけど、終末のフールを大須賀めぐみが書いたらスゲー面白いんだろうなと思ってしまうわけです。
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 小説・文学

カールじいさんの空飛ぶ家

THE ART OF カールじいさんの空飛ぶ家THE ART OF カールじいさんの空飛ぶ家
(2009/11/20)
ティム・ハウザー序文・ピート・ドクター

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 初から最後まで涙が止まらない。大切な人を失った人なら、冒頭で涙し、クライマックスで涙を流すだろう。この作品が「別離」をテーマにした他の映画と一線を画すのは、その涙がただ悲嘆に暮れるものではないという点だ。冒頭では哀しみから涙が零れるが、クライマックスでは感動に包まれて独りでに涙が流れていく。
 別離を拒絶していた老人が、愛妻の死を受け入れた時、どんな行動を取るのか。それまでの細やかな演出を気に留めながら、是非目にして欲しい。

 以下は映画の内容に触れるため、見たくない方には避けていただきたい。

 

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テーマ : 映画評価
ジャンル : 映画

新世紀のラブソング

新世紀のラブソング(初回生産限定盤)(DVD付)新世紀のラブソング(初回生産限定盤)(DVD付)
(2009/12/02)
ASIAN KUNG-FU GENERATION

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 ンドレスリピート中。

 ワールドワールドワールド以来、アジカンからは遠ざかっていたのだけれど、ライブDVD付属が決定打となって購入いたしました。アジカンのライブ音源は神なのです。アレンジが最高なんですよ。原曲に足りなかったところを取り入れ、時にはテンポすら変えて、1ランク上への曲へと昇華させる。おまけに、明らかにレコーディング時より歌が上手くなっていると来てる。いい音楽を創ろうという彼らの姿勢を、私は大いに支持いたします。
 古い曲も新しい曲も飽きずにipodに詰め込んであるのは、彼らくらい。最近は曲が凝り過ぎて、カラオケじゃまったく歌えなくて困っているけどね(ぇ

 新世紀のラブソングは今までのアジカンとはまったく異なる曲調で、度肝を抜かれます。え、これ、アジカンなの?みたいな。正直、最初は「やっちまった~」と後悔したんですが、すみません(土下座しつつ)。やっぱ、アジカンは良いバンドです。
 戸惑いを越えた後に、じわじわと響いてくるリズムと歌詞。出口を求めて疾走するかのようなクライマックスが、心をがっちりと捉えて離しません。いやこれ、凄いよ。CDショップで試聴するのは止めた方がいいと思います。じっくりと何度も聞いてこそ味が出てくる曲。

 ライブDVDは鉄板。ループ&ループ、リライト好きな私にはたまらんとです。いやーしかし、ホントに歌が上手くなっていくよなあ。

テーマ : 日記
ジャンル : 音楽

今月の本 二年分、その三 三日坊主にはなりたくないんじゃよ~編

ムーンパレス

ムーン・パレス (新潮文庫)ムーン・パレス (新潮文庫)
(1997/09)
ポール・オースター

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 オースター作品。興味のあった幻影の書はちょっと敷居が高そうだったので、まずはこちらで肩慣らし。
 洪水のように流れてくる文章にまずは圧倒され、気づけば文章に浸ることの快感を覚えていました。本を読む、という行為の欲求を思う存分満たしてくれます。ストーリー通しての評価はそれほどでもありませんが(ただし、個々のエピソードは大変魅力的)、読書の楽しみを実感させてくれるという点で、とても素晴らしい作品に仕上がっています。
 この一冊で、名訳者・柴田元幸とオースターのファンになってしまいました。現在は柴田元幸新訳の「ガラスの街」が発売中。こちらもなかなかよさそうです。

偶然の音楽

偶然の音楽 (新潮文庫)偶然の音楽 (新潮文庫)
(2001/11)
ポール オースター

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 ストーリー的にはムーンパレスのネガティブバージョン。ムーンパレスが出発点へと到達する物語ならば、偶然の音楽は墜落していく物語。ただし、ラストシーンで盛り返せば、エンターテイメント映画としても成り立つほどの魅力を秘めた作品でもありました。もっとも、オースターがそんな分かりやすいものを書くわけもなく、らしいと言えばらしい小説でしたね。何かこの人は梯子を外すのが大好きな気がする。これはこーいう物語なのか!と思って読んでいたら、思わぬところへ誘導されている……みたいな。
 そうやって騙されるのが、また快感なわけですが。

幽霊たち

幽霊たち (新潮文庫)幽霊たち (新潮文庫)
(1995/03)
ポール・オースター

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 うーん、この作品をどう評価すればいいのか、未だに分かりません。とてつもないポテンシャルを秘めている作品だというのは分かるし、絶賛ばかりなのも納得できるのですが……個人的には落としどころが見つかりませんでした。
 エッセンスだけを抽出した語り口に最後まで馴染めなかったのが原因なのかな。いかにもアメリカ現代文学!みたいな印象を受けてしまうのも、個人的にはマイナスかも。アメリカ現代文学は時々、まったくついていけない作品があるんですよねぇ。

文学少女と恋する挿話集1・2

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
(2008/12/26)
野村 美月

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“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
(2009/08/29)
野村 美月

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 文学少女の短編集シリーズ。こじんまりとした可愛らしいエピソードが多く、微笑ましい気持ちで読み進んでいけます。本編みたいな激しさはないけれど、ほわっと出来る一品が揃っています。遠子先輩の「語り」が好きな人には、たまらないんじゃないかな。
 本編では保管しきれなかった、ななせのエピソードがあるのも○。挿話集を読んだ後に本編を読み返すと、面白さに深みが出そうです。これはよい副読本ですよ。
 この人は(或いは、編集の手腕なのか?)、作品の展開の仕方がべらぼうに上手いのですよね。見せ方が絶妙。もっともっと多くの人に知ってもらいたい作家さんの一人です。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 小説・文学

今月の本 二年分、その二 遅々として進む~編

ベルカ、吠えないのか?
ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)
(2008/05/09)
古川 日出男

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 ぉん。壮大なる犬の系譜。ビートを刻まれた文章が疾走する、強烈なエネルギーに満ち満ちた作品です。

 尊敬する女性から薦められて何となく読み始めたんですが、気づけば物語の吸引力と文章のリズムにノックアウト。それ以来、すっかり古川ファンとなってしまいました。内容も文章も独特なので人を選ぶと思いますが、合う人は大ハマリするはず。マルドゥックシリーズが好きな人にはすんなりと受け入れられそうかな。あと、競馬というか血統が好きな人にもおススメであります。

 ちなみにその人からは他にもレベッカ・ブラウンを薦められました。レベッカ・ブラウンも大好きになりましたとも、ええ。今思うと、感性がとても近い人だったんだなぁ。そんな思い出補正もあって、特別な一冊です。

わたしを離さないで

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
(2008/08/22)
カズオ・イシグロ

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 緻密な構成力やエピソードの見せ方・タイミングなど、作者の技巧を思う存分味わえる一冊。ただ、ストーリーにはあまりのめり込めませんでした。語り口が御伽噺チックで、やや不気味なんですよね。それが作品を構成する上でまた一役買ってはいるんですが、気味の悪さの方が先に来てしまいました。感性の問題もあるんでしょうけど。
 上手い作品ではあると思います。面白いかどうかは、人を選ぶんじゃないかな。

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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 上手い繋がりで、こちらを紹介。穂信さんには珍しい、短編集となってます。(シリーズものは除外する)いつもの青春ミステリはすっかり身を潜めて、やや残酷なストーリーが展開されていきます。ミステリとしては割りとお手軽なのはご愛嬌として、各短編の語り口が上手い。不気味な話をより一層、おどろおどろしいものへと変貌させています。
 器用な作家さんなんだなと認識した一品です。ただ、追想五断章でも感じたんだけど、ちょいと器用貧乏に陥りかけているような気も。さよなら妖精の時の様に、決して上手くはないけれど心に深く残る作品の方が私は好きです。

ダブルブリッド10

ダブルブリッド〈10〉 (電撃文庫)ダブルブリッド〈10〉 (電撃文庫)
(2008/05/10)
中村 恵里加

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 よもや、このシリーズが完結するとは思わなかった。電撃大賞で華々しくデビューしたかと思いきや、シリーズを重ねるごとにグロ&殺伐描写が跋扈し、発売期間がどんどん長くなっていき……発売されたのが前作から五年経ってるって、どーいうことですか(笑)とりあえずはまあ、完結してよかったですよ。うん。
 ストーリーは巻を重ねるごとにミニマムになっていったので、正直盛り上がりは低いです。一巻の完成度と感動は、結局越せませんでした。残念。シリーズ化してしまった編集部の責任かな、これは。後の作品の発表ペースと評価を見ると、ダブルブリッドはいたずらに作家生命を削っただけのような気がしますよ。

京都でのんびり

京都でのんびり―私の好きな散歩みち (祥伝社黄金文庫)京都でのんびり―私の好きな散歩みち (祥伝社黄金文庫)
(2006/10)
小林 由枝

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 京都を一人旅する時に、お供代わりに購入した一冊。筆者おススメのお散歩コースが満載で素敵です。穴場的な場所が多いので、人が少ないのも素晴らしい。京都をふらふらと散歩するなら、断然この本をおススメします。ガイドブックも購入したけど、旅をしている時はこちらばかり見てました。ポケットに突っ込んで、すぐに取り出せるのも○。
 女性らしい優しい文章と柔らかいイラストも魅力たっぷりで、読み物としても優れておりますよ。
 

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 小説・文学

今月の本 二年分、その一 ちょっとだけ復活するんじゃよ~編

最後のユニコーン

完全版 最後のユニコーン完全版 最後のユニコーン
(2009/07)
ピーター・S. ビーグル

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 979年にハヤカワ書房から発売された、ピーター・S・ビーグルの「最後のユニコーン」に、後日譚である「二つの心臓」を加えたもの。ストーリーに取り立てて大きな起伏があるわけでもなく、あらすじだけ書くと大したことはないんだけれど、とにかく文章が美しい。ユニコーンの透明な美しさがそのまま投影されてるかのような文章に、思わずうっとり。表現技法も独特で、独自の作品世界を見事に組み上げています。
 読後感も、かなり不思議。本を読んでいたのではなく、ユニコーンとずっと向き合っていた。そんな錯覚を覚えてしまいます。

 後日譚である二つの心臓も、美しい悲哀に満ちていておススメ。
 
この本を思春期に読めていたら、きっともっと世界は違って見えていたのかな。時代や世代を越えて読み継がれるべき、オールタイムベストだと思います。仕事や私生活に疲れきっている方にも超おススメ。

夏への扉

夏への扉[新訳版]夏への扉[新訳版]
(2009/08/07)
ロバート・A・ハインライン

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 冬になると、夏へと続く扉を探す奇妙な猫・ピートがとにかく印象的。ストーリーも希望に溢れていて、素晴らしいの一言。ラストの一文も非常に秀逸です。
 さすがにSFとしては古臭い部分がありますが、作品の根底に流れる「希望への扉」というテーマは色あせることなく、むしろ一層輝きを増しているのではないでしょうか。

 油絵風の装丁も素敵です。こちらも思春期に読んで置きたかった一冊。

文学少女シリーズ
“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫)“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫)
(2008/04/28)
野村 美月

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“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫)“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫)
(2008/08/30)
野村 美月

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“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)
(2009/04/30)
野村 美月

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 どんなに暗いお話でも、最後には遠子先輩がすっと手を差し伸べて、光に満ちていく。そんな文学少女シリーズが大好きでした。どの巻でもクライマックスにはボロボロ泣いてしまうものだから、電車の中で読めなかったのはいい思い出です。
 最終シリーズの主役は遠子先輩。ななせよりも断然遠子先輩派だった私としては、最後までハラハラしていたのですが……一安心でございます。文学少女らしい美しい締め方に大満足。シリーズ通して、光と影のコントラストがお見事でした。ライトノベルだけれど、もっと多くの人に読んで欲しいなあ。どちらかというとキャラクターで読むラノベ読者層と内容がマッチしていないような気もしますし。そういう意味では、勿体無いシリーズだったかもしれません。(ヒットはしたけど、正しく評価されていたのかという疑問があるんですよね)

 “文学少女”見習いの、初戀。もしっかりと「文学少女」していて、野村美月の手腕に思わず唸らされました。あと、容赦なさも相変わらず。初めから(恋愛面での)負けが確定しているキャラクターを生み出すなんて、あんた鬼やで!
 遠子先輩以外の心葉を取り巻く女性の扱いが割りと酷いですよね、このシリーズ(笑)でも、そんなところも大好きです(ぇー

 とりあえず、これで一端休憩。続きはそのうち。

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