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二月、折り返し地点。


ユニコーンの日(上) 機動戦士ガンダムUC(1) (角川文庫)
ユニコーンの日(下) 機動戦士ガンダムUC(2) (角川文庫)
赤い彗星 機動戦士ガンダムUC(3) (角川文庫)
パラオ攻略戦 機動戦士ガンダムUC(4) (角川文庫)

 ターンAガンダムのノベライズである、『月に繭 地には果実』を手掛けた福井晴敏による、オリジナルガンダムシリーズ。執拗なまでに描写を積み重ね、世界を語って構築していく手腕は少しも衰えていない。ただ、設定用語が頻出し、ベースとなるべき世界観を語るのに腐心する1~2巻はお世辞にも読みやすいとは言えない。自然描写から世界を構築していく方が、この人には合っている気がする。
 反面、世界設定を語り終え、物語が加速していく続刊は圧巻。心理描写を巧みに配置し、台詞一つ一つに意味を持たせている。200ページ弱というボリュームも、筆者の文章を考えれば適量だろう。
 ファーストの引力から脱し切れていないように思えるのが、唯一の欠点。

リルケ詩集 (岩波文庫)リルケ詩集 (岩波文庫)
(2010/02/17)
リルケ

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 ユニコーンの日(上)の冒頭に引用された詩の幻想的な美しさに惹かれ、購入。
 訳が古いため、すんなり読めるとは言い難い。幻想的であるが故、理解できない詩もある。そこには宗教的な背景の違いもあるだろう。だけど時折、ふっと言葉が立ち昇る瞬間があって、するりと胸に落ちて美しく響く。音楽のように。いずれまた、じっくり向き合いたいと思わせてくれる一冊だった。

みずうみ 他四篇 (岩波文庫)みずうみ 他四篇 (岩波文庫)
(1979/11/16)
シュトルム

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 儚くおぼろげで不確かな青春という季節を掬い取り、絵画的でもあり誌的でもある風景を生み出している。そこには過ぎ去りし日への郷愁が滲んでいて、物悲しく、同時にどうしようもなく美しい。
 訳は古めかしいが、素朴な味わいがあり、小説に実によく合っている。同じドイツの作家だからか、リルケと通じる匂いがあった。

タゴール 死生の詩タゴール 死生の詩
(2002/12)
ラビンドラナート タゴール

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 昨今出版されたタゴールものに比べて訳が、やや硬い。タゴールの美しい詩を男性の感性で読み解くのは難しいかなという気がしないでもない。装丁も地味。ただ、詩の注釈やタゴールの軌跡など文学的なアプローチは素晴らしい。詩そのものを堪能しつつ、その詩が生まれたバックボーンへと思いを馳せることが出来る。そういった意味で、有意義な一冊ではあると思う。

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)
(2010/03/25)
伊藤 計劃

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 文章にやや難がある。一人称視点で語られるのにも関わらず、様々なキャラクターの心象が語られていく。虐殺器官で卓越した文章力を発揮した著者にしては、初歩的なミスに思える。台本の書き割りのように進んでいくのも気になった。けれども、迸る物語を読み進めていく内に、そんな不満は消えていく。行間から滲み出るのは紛れもなく伊藤計劃という作家であり、同時にメタルギアという物語でもある。ノベライズでありながら、作家の一作品としても成立しているのだ。語ること、語られていくこと――そんな著者の祈りが織り込められた傑作。
 それだけに、文芸作品として見た場合の文章の不味さが惜しい。

Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫)
(2011/02/10)
虚淵 玄、武内 崇 他

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 面白い。謀略が交差し、先が見えない。物語を加速させる手腕はお見事。ただ、重厚に語られる部分とラノベ的な描写が噛み合っておらず、不協和音を奏でている面も。ラノベに偏見はないし、エンターテイメントとしての価値も認めているけれど、文章に対する感覚の鋭敏さというのはまだまだだなと思う。野村美月のようにラノベ的な文章を重ねて重ねて感動を紡ぎだす作家もいるけれど。
 キャラ小説という枠を取り払った一般フィールドでの著作が見てみたい。

 ※当記事はtwitterでの発言を再編集したもので、備忘録的な意味合いしか持たないので、あしからず。
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