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1.文学少女と慟哭の巡礼者
文学少女最新刊にして、最高傑作。心葉、武田千愛といったキャラクターのドラマがメインとなる今回は、今まで以上に人間の醜さが描かれます。読者は登場人物と共に抑圧され、翻弄されることに。しかし、そこは文学少女。毎度のごとく、ラストで文学少女こと遠子先輩が混沌とした物語に光をもたらしてくれます。 その明暗のコントラストの何と見事なことか。シリーズ第一巻から読み続けてきた読者だけが味わえる感動を見せてくれます。 文学少女というと、すぐにツンデレヒロイン七瀬が話題に上がりがちなのですが、真の魅力はそこにはありません。(もちろん、目を惹く一要因ではありますけど)文学少女の魅力は、その構成の巧さにあります。シリーズごとに登場する様々な男女。その男女の関係はすべて、心葉と美羽という二人の男女の対比になっているのです。鏡合わせの関係になっているとでもいいましょうか。このことは慟哭の巡礼者内でも間接的にではありますが、触れられます。 この二人の鏡合わせとして様々なキャラクターを配置したことが、慟哭の巡礼者で非常に効果的に生きてきます。メインキャラクターのドラマとサブキャラクターのドラマが同じ方向を向いているために、まったく違和感なくすべてのエピソードがラストに向けて収束していくのです。その鮮やかな手腕には、もう唸るしかありません。野村美月の真骨頂、ここにありです。 残すところ、あと一巻。如何なる物語が描かれるのか、今から楽しみで仕方ありません。尚、本書を読む前に「文学少女の今日のおやつ」を読んでおくと、より一層楽しめること間違いなしです。 2.グラスホッパー 初伊坂作品。三人の殺し屋と一人の一般人が織り成すフィルムノワール風の小説です。明確なオチがなく、爽快感とも無縁なのですが、全編に漂う独特な雰囲気がたまりません。殺し屋たちの心情が個性的なんですよね。 達者な文章もグッド。文章が上手い人は、それだけで楽しませてくれます。 サンデーで伊坂原作の漫画(魔王)が連載されていて、それが面白かったものだから手を出してみる……っつう、何とも軽い理由から手にとってみたわけですが、意外な掘り出し物でした。漫画が一層楽しくなりましたしね。サンデーでは他に「ダレン・シャン」・「DIVE」と小説原作の漫画が連載されていますが、「魔王」と「DIVE」は概ね成功と言っていいんじゃないかな。どちらも原作者の作品に興味を持たせるような魅力を秘めた仕上がりになってます。 3.氷菓・愚者のエンドロール 米澤穂信のデビュー作である氷菓と、その続編・愚者のエンドロール。個性的なキャラクターは魅力的なのですが、肝心のミステリー部分がイマイチ。謎解きが謎解きになってないというか。一瞬で主人公が結論に辿り着いてしまうんですね。読者、完璧に置いてけぼり(笑) 逆に、ドラマの部分は今と変わらぬ面白さがあります。今更だけど、この人はミステリー色を入れない方が面白いのかもしれない(ぇ 一度、ミステリーなしの作品を見てみたいです。 5.ハリー・ポッターと秘密の部屋(携帯版) 積んだまま読んでいなかったので。映画の副読本といいますか、映画では描ききれない部分を補完するにはいいかなといった印象。 |
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