スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SPAWN #155



 ヴンズゲート。人間に天国と認識されるその地では今、忘れ去られし者と天使たちの戦いが繰り広げられていた。忘れ去られし者とは、天界にも魔界にも属さない勢力である。スポーンを苦しめたマモンもその一人だった。
 強大な実力を誇る忘れ去られし者の軍勢相手に、神を欠いた天使たちは追い込まれる一方である。そこで、一万年前に神が幽閉した熾天使の長・ゼラを解き放つことにしたのだ。ゼラは神への忠誠篤く、そして、最も力の強い化け物の一人であった。

SPAWN #155

spawn1551 (1)

 ゼラの力の源は、狂気。荒ぶる気性と力を以って、熾天使の長は敵を蹂躙する。主を欠いた天使軍団の劣勢を覆すほどの実力を秘めたゼラがいれば、忘れ去られし者との戦いに勝利出来るのだ。
 だが、ゼラを解き放つ……その選択は果たして正しかったのか天使たちにも判断がつかない。狂気に駆られ、殺人機械と化したゼラから、誰が自分たちの身を守ってくれるというのだろうか。神ですら手を焼き、封印したというのに。

spawn1551 (2)

 北インド、ベンガルには死の匂いが満ち満ちていた。村からは人が消え、僅かに生き残った人々はカーリーを心酔する黒装束の殺人鬼を恐れている。やがてスポーンとクリスは、この世に現出した地獄を目撃することとなる。
 黒装束の男が村人の死体を解体していたのだ。しかも、彼自身の手は汚さず、生き残った村人たちにかつての隣人の死体を切り刻ませていた。
スポーン「貴様、どういうつもりだ?」
「母たるカーリー神のためだ。神はこの世に再び降臨なされる。そしてお前のような存在を地獄へと送り返すのだ!」
スポーン「ほう? ならば一足先に地獄を見せてやる!」
 スポーンは不快感と怒りに任せて、男を殺す。その方法は残虐無比。スポーンの殺し屋としての顔は些かも衰えていない。
「慈悲、という言葉を君は知っているかい?」
 スポーンを嗜めるのは、マン・オブ・ミラクルズだった。

spawn1551 (3)

スポーン「またお前か? 今度はどんな講義をぶってくれるんだ? 己が内の声に耳を傾けるんだ……か?」
ミラクルズ「その通り。そして君は声を聞いた。今の君は全ての言語が同一のものとして捉えられるはずだ」
クリス「そうだよ、あいつとあなたは話をしていた……」
スポーン「それがどうした?」
クリス「あいつはこの地方の言葉を使っていたんだよ」
スポーン「だが俺は理解できたぞ」
ミラクルズ「君の内なる存在のおかげさ。彼らが君に学ばせたんだ。もしカーリーを倒し、ここの人々を解放したいのなら、〝声〟に耳を傾け、何をすべきか見極めることだね」
スポーン「そんな暇はない」
ミラクルズ「君に選択肢はない」
スポーン「俺はいつでも選択してきた。天界にも魔界にも左右されずに、だ。二度と俺にそんな口を叩くな!」
ミラクルズ「それじゃあ君は世界が破滅するまで、あの路地裏で無知のまま朽ち果てていくつもりかい? もうこの世界に安寧は訪れない。君の愛するワンダやサイアンも例外じゃないよ。彼らを守りたいならば、〝声〟を聞くんだ、アル」
 クリスがカーリーを倒す秘密を知っているよ。そう言い残し、ミラクルズはいつものように消えていった。
クリス「一度、あなたの中に戻った方がいいみたいだよ」
スポーン「本当にカーリーを倒せるんだろうな?」
クリス「多分ね」
 クリスの小さな姿が、スポーンの胸の中へと吸収されていく。

spawn1551 (4)

 スポーンの中に広がるもう一つの世界では、ヒンドゥー教の信者と思しき夫婦がいた。二人はクリスやヒロシたちと違い、自分たちが既にこの世のものでないことに気づいていた。生前に罪を犯したからこそ、そのカルマを背負ってこの不可思議な世界に取り込まれたのだ。そう語る女性は、小さな物体を抱えていた。よほど大事なものらしく、女はクリスが外の世界……つまり、スポーンの体の外へとクリスが運ぶ時にも手放さなかった。
 敬虔なヒンドゥー教徒である二人は、現在の北インドを俄かに騒がす破壊神カーリーに詳しかった。スポーンは二人からカーリーが血と殺戮に魅入られた恐ろしき女神であることを聞かされる。
「ですが、今お話したことはあくまでも神話なのです。現実ではありません」
スポーン「そいつは、あの女に言ってやってくれ」

spawn1551 (5)

カーリー「愚かなる悪魔がのこのこと現れおって。おかげで貴様を探す暇が省けたわ!」
スポーン「思い違いをしているな。俺は悪魔じゃない。お前がもたらす恐怖を止めるために来たんだ」
カーリー「恐怖じゃと? 虚ろなる者よ、貴様こそ多くの恐怖をもたらしてきたのだろうよ。今度は貴様の番じゃ!」

spawn1551 (7)

 テネシー。記憶を取り戻したヒロシは、訥々と過去を語り始める。
 生前のクミコは両親に反発し、夜な夜な歩き回る少女だった。その日もクミコは両親の制止も聞かず、外に飛び出していこうとしていた。ヒロシが嗜めても、クミコは聞く耳を持たない。それどころか、両親がヒロシを疎んじていることを告げる。ヒロシがいては、プライバシーが守れないのだと。家族を傷つけるだけ傷つけて、クミコは家を出て行った。
 それでも、ヒロシにとってクミコは孫であることに変わりなかった。刀を手に、ヒロシはクミコを追って飛び出す。ここのところ彼女が何をしているのか、ヒロシはすべて知っていた。体を売ることと引き換えにドラッグを買い漁っていたのだ。
 ドラッグの元締めの居所を突き止めたヒロシは、今夜こそクミコをドラッグの呪縛から解き放とうと決意する。
 銃で武装した男たちに刀片手に挑むヒロシ。彼に銃が向けられた瞬間、クミコが叫んだ。
「この人に手を出さないで!」
 だが、その叫びも虚しく、クミコは祖父もろとも銃弾に倒れるのだった。

spawn1551 (8)

ヒロシ「お前を助けるつもりじゃった。じゃが……」
クミコ「思い出したわ。あたし、皆のことを傷つけてた。でも、本当は……調子に乗ってたのよ。ごめんなさい、お祖父ちゃん」
ヒロシ「もう泣かんでいい。ワシの方こそ、すまなかったな」
クミコ「あたしたち、これからどうすればいいの?」
ヒロシ「どのような理屈かは知らんが、ワシらとスポーンはリンクしておる。この街を守るためにワシらは召還されたんじゃ」
クミコ「なら、新しい武器がいるね……もう銃なんかいらない。あたしに必要なのは」
 クミコの意志に反応して、コスチュームが全身を覆っていく。
クミコ「さあ、ゾンビ退治だよ!」
 完全なヘルスポーンと化したクミコの手には、祖父と同じ刀が握られていた。

spawn1551 (9)

 テネシーを開放した二人のヒーロー。クミコとヒロシの活躍は既に世界中の知るところとなった。その様子を忌々しく見つめているのは、ワンダ・ブレイクの双子たち。
ジェイク「お前のカーリーはニュースになってないみたいだな」
ケイティー「そんなことより。ジェイク。あんた、あたしにしたこと覚えてるだろうね? 鋏を頭にブッ刺したアレだよ」
 ケイティーはバットを手に、ジェイクの背後に立った。
ワンダ「あなたたち、何をしているの!」
ケイティー「借りを返してもらってるだけよ」
 帰宅したワンダの目の前には、変わり果てた我が子が転がっていた。





←vol.2が安くなってます
スポンサーサイト

テーマ : アメコミ
ジャンル : サブカル

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

だっちゃん

Author:だっちゃん
リンクについて

ブログ検索
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
過去ログ
リンク
RSSフィード
全記事(数)表示
全タイトルを表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。