交響詩篇エウレカセブン第四十七話 アクペリエンス・4
この物語のテーマがコミュニケーションにあったのだと改めて確信したはいいけれど、数多くの謎が明かされないままに進んでしまった今回。琥珀の指輪の秘密とか、王の資質とか。残り話数で、どうやって消化するというのかー(懐かしのガチンコ風で)!?
ここのダラダラ感想を読んでいただけている方には、さして大きな事実が明かされたわけでもないですが、いつものようにいってみましょ~
お姉ちゃん
レントンを司令クラスターへと導く船頭役に選ばれたのは、ダイアン。相も変わらず虚ろな瞳。父の仮説の証明に躍起になっていた時とは違い、スカブコーラルの秘密を知ったがゆえの瞳といったところでしょうか。
ダイアンを常に日陰に配置して、彼女を陰鬱に見せていたのはなかなかの演出でした。ラスト付近、彼女のを日の下に引っ張り出して瞳のハイライトを目立たせたのも、小技が利いていてよかったです。
エウレカの本当の家
司令クラスター内部は図書館。ダイアンと同じくスカブコーラルと融合した人々がそこら中にいます。彼らが一万年前の地球の人々なのか、それとも数千年前の「くだんの限界」の際に呑みこまれた人々なのかは不明。絶望病患者の人々もここにいそうですが、彼らとは魂が存在するステージ(環界)が違うのかな。結局、絶望病患者の精神の行方などはサッパリ語られなかったので相変わらず不明なまま。視聴者の想像にお任せしますってことなのでしょうかねぇ。
白紙の本
サクヤの世界にあったものが、何故ここに? 人型コーラリアン共通の本ってことなのでしょうか? 白紙の本の使い方は、どうにも腑に落ちない点が多いです。スカブコーラルの内側からも外界の様子が分かるようですし、わざわざメッセージを届ける必要があったのでしょうかね。
「一万年前、スカブコーラルは初めて地球に触れた」
スカブコーラルは宇宙から飛来した寄生生物。人工物か自然発生物かは不明とのこと。わざわざ人工物というあたり、自然発生したものではなさそうです。この点について明かされる可能性は限りなく低いですが。ちなみに、スカブコーラルに打ち落とされたのは「EUREKA」という名のロケット。スカブコーラルが初めて融合した物質でもあります。初めて目にした名前をエウレカに託したのはなかなか興味深い点。サクヤの失敗を繰り返さぬようにという、スカブコーラルの祈りにも似た願いが込められているような気がします。
さて、スカブコーラルと地球の関係性ですが……さして目新しい要素はありませんでした。第四十二話スター・ダンサーの感想で書いた「地球にスカブコーラル飛来→何割かの人類は避難or外宇宙探索に出ていた人類が地球に帰還したが既にスカブコーラルに地球が乗っ取られていた→真実を隠して、地球を約束の地に仕立て上げた」でビンゴでしたから。与えられたパズルのピースを組み合わせていれば、十分に予想できる答えですねー。
エウレカセブンって、謎の解明は遅いんですが、素直に見ていれば大抵の謎は限りなく正解に近い推測が立てられるんですよね。魂魄ドライブの仕組みにしろ、エウレカの正体にしろ。見ているだけで分からない謎も勿論あるんですけど。琥珀の指輪とか。これは本当に謎です。
「スカブコーラルは嬉しかった」
「対話したい。出来ることなら共に生きる道を歩きたい」
「人間と共生することは可能なのか。その問いを携え託されたのがサクヤであり、エウレカだった」
スカブコーラルは淋しがり屋。この場合の共生は、人間と融合せずに暮らしていくことだと思います。融合を「共生」と捉えるのなら、スカブコーラルの欲求は司令クラスター内部の人々で満たされているわけですから。
「司令クラスターが破壊されると、地球上の全スカブコーラルが目覚める」
この事態を避けるために、スカブコーラルとの融合を促すダイアン。ですが、この結論は結局のところ今までのスカブコーラルのあり方と何も変わりません。「変化」というエウレカセブンが抱えるテーマの一つから見ても、この考え方は歓迎されざるもの。やはりスカブコーラルにとっても、融合は最良の手段ではなかったのでしょう。レントンとエウレカの決意を聞いて、あっさりと態度を覆します。
ここで気になったのは宇宙が裂けた向こう側に広がる〝別の宇宙〟。いやなんか、スパロボに使えそうなネタだなあと(ォィ
「どんなことがあっても、一緒に乗り越えていくって決めたの」
アドロック・サーストン登場。重大な謎が明かされるかと思いきや、父は黙して語らず。そのせいで、王の資質については不明なままなんですよね。つまるところ、エウレカに恋をして、彼女が恋をする人間が王ってことなのでしょうか。
肝心の再会シーンは今ひとつ盛り上がらず。余計な説明に時間を取られすぎちゃってます。
代わりに一番の盛り上がりを見せたのは、下のシーン。
「多分、今のエウレカをベルフォレストに連れて帰ったらじっちゃんだってびっくりすると思うよ」
「けどね、俺、エウレカをつれて帰りたいんだ。皆にエウレカを紹介したいんだ。エウレカや三人の子供達や、ゲッコーステイトの皆に見せたいんだ……俺やお姉ちゃんが育った、あの街を。リフさえろくに出来ない、何もすることのない、あの街を」
ベルフォレストから逃げ出すことを願っていた少年が、そこに戻りたいという願いを口にした素晴らしいシーンです。エウレカ全話を通して見ても、最も大きな変化と言えそう。一・二を争う名シーンじゃないでしょうか。分かりやすい感動シーンではありませんが、一話からちゃんと見ている人なら感動できる作りになっています。
「レントン、忘れないで。私達はいつだって、あなたたちと一緒にいる」
「ありがとう、父さん、姉さん」
決意新たに、二人は戦場へ。
レントンの変化以外は、今ひとつの出来といったところでしたね。毎回思うんですが、エウレカスタッフは謎の消化に慌てすぎです。そんなに焦らなくても、十分に消化できるのに。もう少し視聴者を信用してもいいと思うんですけどねえ。パズルのピースを組み合わせれば分かることを延々と説明されても……という印象が拭えませんでした。むしろ、ピースを組み合わせても理解しようがない琥珀や王の資質などの設定を明かしてくれないと。
そうは言っても、残りわずかとなってまいりました。文句を言っても始まらない。あとは設定資料集に期待するしか(ぇー
デューイの「オラトリオナンバー8、発射!」との号令も高らかに、最終決戦へ突入です。ではでは、また来週。
←全主題歌収録!
ここのダラダラ感想を読んでいただけている方には、さして大きな事実が明かされたわけでもないですが、いつものようにいってみましょ~
お姉ちゃん
レントンを司令クラスターへと導く船頭役に選ばれたのは、ダイアン。相も変わらず虚ろな瞳。父の仮説の証明に躍起になっていた時とは違い、スカブコーラルの秘密を知ったがゆえの瞳といったところでしょうか。
ダイアンを常に日陰に配置して、彼女を陰鬱に見せていたのはなかなかの演出でした。ラスト付近、彼女のを日の下に引っ張り出して瞳のハイライトを目立たせたのも、小技が利いていてよかったです。
エウレカの本当の家
司令クラスター内部は図書館。ダイアンと同じくスカブコーラルと融合した人々がそこら中にいます。彼らが一万年前の地球の人々なのか、それとも数千年前の「くだんの限界」の際に呑みこまれた人々なのかは不明。絶望病患者の人々もここにいそうですが、彼らとは魂が存在するステージ(環界)が違うのかな。結局、絶望病患者の精神の行方などはサッパリ語られなかったので相変わらず不明なまま。視聴者の想像にお任せしますってことなのでしょうかねぇ。
白紙の本
サクヤの世界にあったものが、何故ここに? 人型コーラリアン共通の本ってことなのでしょうか? 白紙の本の使い方は、どうにも腑に落ちない点が多いです。スカブコーラルの内側からも外界の様子が分かるようですし、わざわざメッセージを届ける必要があったのでしょうかね。
「一万年前、スカブコーラルは初めて地球に触れた」
スカブコーラルは宇宙から飛来した寄生生物。人工物か自然発生物かは不明とのこと。わざわざ人工物というあたり、自然発生したものではなさそうです。この点について明かされる可能性は限りなく低いですが。ちなみに、スカブコーラルに打ち落とされたのは「EUREKA」という名のロケット。スカブコーラルが初めて融合した物質でもあります。初めて目にした名前をエウレカに託したのはなかなか興味深い点。サクヤの失敗を繰り返さぬようにという、スカブコーラルの祈りにも似た願いが込められているような気がします。
さて、スカブコーラルと地球の関係性ですが……さして目新しい要素はありませんでした。第四十二話スター・ダンサーの感想で書いた「地球にスカブコーラル飛来→何割かの人類は避難or外宇宙探索に出ていた人類が地球に帰還したが既にスカブコーラルに地球が乗っ取られていた→真実を隠して、地球を約束の地に仕立て上げた」でビンゴでしたから。与えられたパズルのピースを組み合わせていれば、十分に予想できる答えですねー。
エウレカセブンって、謎の解明は遅いんですが、素直に見ていれば大抵の謎は限りなく正解に近い推測が立てられるんですよね。魂魄ドライブの仕組みにしろ、エウレカの正体にしろ。見ているだけで分からない謎も勿論あるんですけど。琥珀の指輪とか。これは本当に謎です。
「スカブコーラルは嬉しかった」
「対話したい。出来ることなら共に生きる道を歩きたい」
「人間と共生することは可能なのか。その問いを携え託されたのがサクヤであり、エウレカだった」
スカブコーラルは淋しがり屋。この場合の共生は、人間と融合せずに暮らしていくことだと思います。融合を「共生」と捉えるのなら、スカブコーラルの欲求は司令クラスター内部の人々で満たされているわけですから。
「司令クラスターが破壊されると、地球上の全スカブコーラルが目覚める」
この事態を避けるために、スカブコーラルとの融合を促すダイアン。ですが、この結論は結局のところ今までのスカブコーラルのあり方と何も変わりません。「変化」というエウレカセブンが抱えるテーマの一つから見ても、この考え方は歓迎されざるもの。やはりスカブコーラルにとっても、融合は最良の手段ではなかったのでしょう。レントンとエウレカの決意を聞いて、あっさりと態度を覆します。
ここで気になったのは宇宙が裂けた向こう側に広がる〝別の宇宙〟。いやなんか、スパロボに使えそうなネタだなあと(ォィ
「どんなことがあっても、一緒に乗り越えていくって決めたの」
アドロック・サーストン登場。重大な謎が明かされるかと思いきや、父は黙して語らず。そのせいで、王の資質については不明なままなんですよね。つまるところ、エウレカに恋をして、彼女が恋をする人間が王ってことなのでしょうか。
肝心の再会シーンは今ひとつ盛り上がらず。余計な説明に時間を取られすぎちゃってます。
代わりに一番の盛り上がりを見せたのは、下のシーン。
「多分、今のエウレカをベルフォレストに連れて帰ったらじっちゃんだってびっくりすると思うよ」
「けどね、俺、エウレカをつれて帰りたいんだ。皆にエウレカを紹介したいんだ。エウレカや三人の子供達や、ゲッコーステイトの皆に見せたいんだ……俺やお姉ちゃんが育った、あの街を。リフさえろくに出来ない、何もすることのない、あの街を」
ベルフォレストから逃げ出すことを願っていた少年が、そこに戻りたいという願いを口にした素晴らしいシーンです。エウレカ全話を通して見ても、最も大きな変化と言えそう。一・二を争う名シーンじゃないでしょうか。分かりやすい感動シーンではありませんが、一話からちゃんと見ている人なら感動できる作りになっています。
「レントン、忘れないで。私達はいつだって、あなたたちと一緒にいる」
「ありがとう、父さん、姉さん」
決意新たに、二人は戦場へ。
レントンの変化以外は、今ひとつの出来といったところでしたね。毎回思うんですが、エウレカスタッフは謎の消化に慌てすぎです。そんなに焦らなくても、十分に消化できるのに。もう少し視聴者を信用してもいいと思うんですけどねえ。パズルのピースを組み合わせれば分かることを延々と説明されても……という印象が拭えませんでした。むしろ、ピースを組み合わせても理解しようがない琥珀や王の資質などの設定を明かしてくれないと。
そうは言っても、残りわずかとなってまいりました。文句を言っても始まらない。あとは設定資料集に期待するしか(ぇー
デューイの「オラトリオナンバー8、発射!」との号令も高らかに、最終決戦へ突入です。ではでは、また来週。
←全主題歌収録!
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テーマ : 交響詩篇 エウレカセブン
ジャンル : アニメ・コミック