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「交響詩篇 エウレカセブン」

 告どおり、今日はエウレカ小説でっす。といっても、かなり中途半端。公開見送ろうと思ったんですが、昨日ちょろっと予告した手前もありますし……そんなわけで、いつもより短めです。続きはその内。なかなか時間が取れないわ、資料がないからチンプンカンプンだわで、予想以上に手こずっておるのです。文章の長さも悩みどころで、ネットでそんなに文章重ねてもしょうがないだろうと思いつつも、何だかんだで書いたり消したり……試行錯誤の連続。エウレカ小説が終わったら二度と二次創作には手を出さないようにしよう(苦笑)

 続きを読む、でドウゾ。
 イズモ艦はミサイルを撃ち尽くし、モンスーノ小隊も引き返した。モンスーノのレーダーに映るのは味方の識別信号が一つ――ニルヴァーシュ、そして無数の赤い光点――抗体コーラリアン。

 ミサイルでの援護も虚しく、ニルヴァーシュの行く手には再び抗体コーラリアンが結集しつつあった。レントンとニルヴァーシュが大樹にとって、排除すべき異物であるかのように。

 コーラリアンになりきれなかった私も異物なのかしらね。すっと目を細め、アネモネはモンスーノに残されたミサイルを発射した。

 白煙を引きながら、爆薬が満載されたミサイルが縦横無尽の軌跡を描く。たとえ抗体コーラリアンが不規則な動きで避けようとしても、ミサイルは彼らの熱を追う。

 体に金属の筒をめり込ませた抗体コーラリアンの体が風船のように膨れ上がり、一瞬の後、破裂した。赤い血とカラフルな肉片を機体に浴びつつ、アネモネはニルヴァーシュの隣に並んだ。モンスーノにブーメランを持たせ、ニルヴァーシュに取り付かんとしていた青い抗体コーラリアンの目玉を切り裂く。

「エウレカの彼氏君、生きてる?」

 口ではレントンを案じつつも、アネモネの目はニルヴァーシュに向けられていた。ふらふらと頼りなく波に乗る世界最古のLFO、ニルヴァーシュ。装甲がはがれかけた頭部は、その中身――アーキタイプの姿を現しつつあった。無機質な外面とは裏腹に、生命の息吹を感じさせる瞳が前方を見据えている。

 ジ・エンドみたい。生まれてから……正確には意識というものを持ってから常に傍らにあった存在を思い出し、アネモネは唇を噛み締めた。

 ジ・エンドに乗る、それはアネモネがアネモネでなくなることを意味していた。薬を投与され、全身の血管が沸騰するほどの悪意と殺意にまみれて、アネモネは全てに終焉をもたらすために空を翔けた。ジ・エンドと共にいて心安らいだことなど、一度もない。アネモネにとって、彼は苦痛をもたらす存在の一つでしかなかった。

 けれど、アネモネは覚えている。自分を見つめるジ・エンドの眼差しを。自らの身を盾にして、自分とドミニクを守ってくれた時の、優しい瞳を。

 ふいに涙がにじんできて、アネモネはニルヴァーシュから目を反らそうとした。だが、出来なかった。ニルヴァーシュの碧の瞳が、アネモネを見ていた。

「ジ・エンド……」

 ニルヴァーシュとジ・エンドが重なり、アネモネの双眸に涙が溢れた。失ったものの大きさを、思い知らされる。

 ごめんね、ジ・エンド。そっと呟き、アネモネはモンスーノを加速させた。リフボードの先端で、抗体コーラリアンの体を貫く。機体に返り血を浴びながら、アネモネはボードを反転させた。360度回転したボードが、周囲の抗体コーラリアンを容赦なく切り裂く。

 メインカメラにへばりついた肉片を取り除きながら、アネモネは叫んだ。

「行きなさい、早く!」

「ありがとう、アネモネ!」

 モンスーノが切り拓いた道を、ニルヴァーシュが翔け抜ける。

 風を切り裂いて上昇していく白い機体を、アネモネは見つめた。死なないでよ――そう、胸の内で呟きながら。

 だが、他人を心配するような余裕はアネモネには与えられなかった。一瞬前までニルヴァーシュを映していたモンスーノのメインカメラを、紫紺の瞳が覆い尽くす。ぎろりとこちらを睨む瞳には、何の感情も込められていなかった。

 大樹に近づく存在すべてを滅する――妄執的とさえ言える攻撃衝動に彩られているだけだった。

「このっ……!」

 眼前の抗体コーラリアン目がけて、モンスーノの腕を突き出すアネモネ。

 攻撃が当たる寸前で、コーラリアンが大きく口を広げた。体と同じ色をした口内には獰猛さを秘めた牙がずらりと並んでいる。そしてその牙に、モンスーノの腕は噛み砕かれた。

 装甲とアーキタイプ、同時に弾けた無機物と有機物が各々の破片を撒き散らす。

 モンスーノの腕を喰らった抗体コーラリアンはそれだけでは飽き足らず、今度は肩に噛み付いてきた。装甲と肉が断ち切られる不気味な音を耳にしながらも、アネモネは残った腕を動かした。

 無防備に開け広げられた抗体コーラリアンの口に、ブーメランの刃が突き刺さる。

「あっちへ行ってよ、お願いだから!」

 ブーメランごと左腕をくれてやりながら、アネモネは機体を後退させた。ニルヴァーシュを送った今、出来ることは何もない。一刻も早く、ドミニクのもとに戻らなければ。

「早く、もっと早く飛んでよ……」

 弱々しく呟くアネモネ。敵を示す光点は猛スピードでモンスーノに近づきつつあった。捕捉されたが最後、抗いようがないことを彼女は悟っていた。ボードで反撃しようにも、両腕を失った今では姿勢制御が上手くいかない。

そして――

 アネモネの視界一杯に、抗体コーラリアンの目が広がった。

「ドミニク――」

 引きつった悲鳴が漏れるのと、血が飛び散るのは、ほぼ同時のことだった。

 ――モンスーノを狙っていた抗体コーラリアンは胴体を分断され、宙に舞っている。

 血は、抗体コーラリアンのもの。

 切り裂いたのは、

「ゲッコーステイトのLFO!?」

 青い、宇宙人のような顔をしたLFOがブーメランを手に、モンスーノの横に並んでいた。その頭上には、もう一機のLFO。大量のコードを両手に抱えた黄色いLFOは、青いLFOに頷きかけると、ジ・エンドもかくやと思わせる速度で急上昇していった。

 呆気にとられたアネモネがぼんやりと空を眺めていると、毛むくじゃらの男がモンスーノに通信を入れて来た。

「無事か、お嬢ちゃん。間一髪ってやつだな。とと、ハニーのチューニングはピーキーすぎるぜ」

「あ、ありがとう」

「それよっか、早く帰ってやんな。さっきからうるせえの何のって」

 にやりと笑い、男は別の通信を割り込ませてきた。

「アネモネ、アネモネーッ!」

 アネモネは思わず耳を押さえた。必死の形相で、ドミニク・ソレルが叫んでいる。こちらに気づいているだろうに、叫びは止まらない。きっと、彼の元にアネモネが戻るまで呼びかけは止まらないだろう。

「もう……馬鹿」

 顔を真っ赤にして、アネモネは全通信を断ち切った。その口元には、柔らかな笑みが浮かんでいた。
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テーマ : 交響詩篇 エウレカセブン
ジャンル : アニメ・コミック

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非公開コメント

すんごく良いです。
まるで見たかったシーンを見せてくれているようです。
アネモネとマシューの絡みも最高。

「俺のは『毛むくじゃら』じゃなくてア・フ・ロ。
そこんとこよろしくな~」
と言う声が聞こえるようですが!(笑)

続きもとてもとても楽しみにしているので宜しくお願いいたします。

 コメントありがとうございます~

 うはぁ、最高級の誉め言葉ありがとうございます! やる気が出てくるってもんですよ! 続きは必ず更新しますので、しばしお待ちくださいませ。
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