ス カーレットウィッチ。本名、ワンダ・マキシモフ。Xメン最大の宿敵の一人であるマグニートーの一人娘にして、強力な魔力を持つミュータント。以前はマグニートーの元で悪のミュータントとして活動していたが、改心。マーヴェルユニバース最強のヒーローチーム・
アヴェンジャーズへと、弟のクイックシルバーと共に加入する 。
強大すぎる彼女の魔力は、
自らの思うがままに現実を作り変える〝現実改変〟をも可能にする 。かつてワンダは夫・ヴィジョン(人造人間)との間に子供を渇望し、現実改変能力によって
双子を作り出した こともある。その双子は彼女の魔術の師・アガサによって
消去された 。その記憶は長い間封じられていたが、何らかの理由によって記憶の封印が解除されてしまう。自らが産み落とした双子が消去された痛みに怒り、そして悲しみに狂うワンダはその能力を暴走させ、
アヴェンジャーズの半数を死に追いやるのだった 。その中には、夫ヴィジョンも含まれていた。
それから六ヵ月後……
HOUSE OF M#1 ジェノーシャ。マグニートーが元首を務め、大勢のミュータントが虐殺された地。
荒廃したその土地で、双子を出産するワンダ。その周りには父エリック(マグニートー)や弟のピエトロ(クイックシルバー)、そして夫のヴィジョンがいる。新たな命の誕生を喜ぶワンダとその家族たち。そこへチャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)が現れる。チャールズはワンダに言う。
「
今すぐ世界を元に戻すのだ 」
すべてはワンダの能力が作り出した偽りの存在。プロフェッサーによって能力を解除されたワンダは、泣き叫ぶ。
私がアヴェンジャーズを殺した、夫を殺したのよと 。
ワンダの抑制に力を使い、疲弊するプロフェッサーの元を訪れたのはマグニートーこと、
エリック 。Xメンとの戦いに敗れた彼に、かつてのような強靭な「ミュータントの理想郷を作る」という意志はない。プロフェッサーと共にジェノーシャの復興を目指している。
プロフェッサーはエリックに、ワンダの状態を告げる。
幸せな家庭を求めるあまり能力を乱用し 、精神の均衡を失っていくエリックの娘のことを。磁界の帝王マグニートーとして人類と戦ってきたエリックは「すべて私の責任だ」と呟く。
私の生き方が、子供たちを狂わせたのだと 。(ワンダとピエトロが部下だった時、エリックは彼らが実の子供だとは知らなかった。また、アヴェンジャーズとして活動するピエトロを殺しかけたことも)
己を責める磁界の帝王マグニートーは、空へと消えていく。
スタークタワー。ワンダの能力によって破壊されたアヴェンジャーズマンションの代わりに、今はスタークタワーがアヴェンジャーズの本拠地となっている。
そこに集う
旧アヴェンジャーズ・新アヴェンジャーズ、そしてXメン の面々。彼らを集めたのはチャールズ・エグゼビア。その理由は、
スカーレット・ウィッチ――ワンダの処分を決定するためであった 。
一方その頃、超高速での移動を可能とするクイック・シルバー――ピエトロは姉の側で涙に暮れていた。彼はその能力によって、スターク・タワーでの出来事を認識していた。父エリックに、姉さんが殺されると叫ぶピエトロ。エリックは彼らが正しいのだろうと答える。だが、ピエトロの怒りは止まらない。
「
俺は命をかけて姉さんを守ると誓ったんだ。最初はあんたから。今度は彼らから守らなくちゃならないと言うのか? 家族同然のアヴェンジャーズから! あんたは娘が殺されてもいいのか!? 」
己に泣きすがる息子に、エリックは静かに問う。
私にどうしろと言うのだ。 ピエトロは答えられずに泣き崩れる。エリックもまた、歯を食いしばるしかなかった。
スタークタワーではワンダの処分を巡って議論が起きていた。ワンダの処刑を唱える、
ミュータントの エマ・フロスト。ワンダの現実改変能力が制御不能と人間に知られたら、ミュータント全体が危険に陥ると彼女は言う。ニューアヴェンジャーズの一員、
ウルヴァリン もエマの意見に賛同する。チームメイトでもあり、友人でもあるスパイダーマン(
人間 )の「もし僕の能力も制御不能になったら、君は僕を殺すのかい?」という問いかけに、ウルヴァリンは頷く。
エマに反対するのは、キャプテンアメリカを中心とした
人間の 旧アヴェンジャーズ。仲間をワンダに殺された彼らだが、未だに彼女のことを家族のように思っているのだ。
議論は平行線を辿り、ワンダ本人に会ってから処分を決めることに。
ジェノーシャを訪れる一行。だが、そこに
ワンダの姿はなかった 。ピエトロとエリックの姿も。ワンダを探す内に、
プロフェッサーが忽然と姿を消す 。何者かによって、拉致されたのだ。ワンダを守ろうとする家族の手によることは、間違いない。彼らの行方を突き止めたエマの先導で、一向はとある巨大な門の前にたどり着く。門の向こうにワンダたちがいるのは間違いなかった。スパイダーマンはプロフェッサーが拉致された際に〝スパイダーセンス〟が反応しなかったことを皆に告げる。スパイダーセンスは、どんな危険をも察知する超感覚である。何故、プロフェッサーが拉致された際に、スパイダーセンスは働かなかったのか? だが、スパイダーマンの言葉を誰も聞いていない。皆、門に魅入られたかのように固まっている。異変に気づいたスパイダーマンは門へ視線を向け――
巨大な光に包まれる 。
光が収まった後、スパイダーマン――ピーター・パーカーはベッドで目を覚ます。傍らには、金髪の女性。女性はピーターの伴侶だ。その名は、
グエン・ステイシー 。
グリーン・ゴブリンとの戦いに巻き込まれて死亡した 、ピーターの元恋人である―― to be continued HOUSE OF M#2
先日購入したHOUSE OF Mがあまりにも面白かったので、今日から八回に分けて紹介。見所は何と言っても、マグニートーの家族たち。そして、ワンダの悲劇性。端正なアートも手伝って、彼らの抱える苦悩が画面から滲み出てきます。アクションシーンは少ないですが、台詞のやり取りは見所たっぷり。是非とも電子辞書片手に読破して欲しいところ。それから、女性キャラクターが可愛いんで(笑)、日本人にも読みやすいかと。
初見の人が混乱するであろう脇キャラクターの名前は一切排除し、背景を簡単に語ったつもりですが、疑問のある方はお気軽にコメント欄へ。
←HOUSE OF M全話を収録
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