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CIVIL WAR FRONT LINE EMBEDDED#1

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 ョン・フェルナンデスは我々の同僚でした。ニュースマンだったのです。
 数日前、スタンフォードでおぞましい事故が起きた。ニューウォーリアーズというヒーローチームが二流ヴィランを追い回す「TVショー」の最中、ニトロが大爆発を起こしたのだ。(彼は自らの体をニトロ爆弾と化すことの出来るヴィランである)
 そして、ジョン・フェルナンデスはニューウォーリアーズの「TVショー」のカメラマンだった。彼の葬式に出席したフリージャーナリストのサリーは、傘も差さず、喪服も着ずに突っ立っていた。

 スタンフォードでの惨劇は、スーパーヒューマン登録制度を後押しすることになる――フェルナンデスの通夜でサリーと相席になったデイリービューグルのトップニュースマン、ベン・リッチはそう呟いた。スーパーヒューマン登録制度とは、スーパーパワーを持つ人間を政府に登録し、その管轄下に置くものである
 政府にとって、今回の事件――未成年のヒーローが大勢の子供を間接的であるにしろ殺害した――は制度施行を推し進めるのに最高のシナリオ。この流れは止めようがなく、すべてが変わっていくだろうというベンの意見をサリーは素直に受け止められない。登録制度はヒーローから自由を奪うものだからだ。とはいえ、彼女のジャーナリストの部分はこれからこの不公平極まりない制度を世界中に伝える日が近いことを感じていた。

 デイリー・ビューグルはスタンフォードからのニュース中継を決定した。現場に派遣されるのは葬式から帰ってきたばかりのベン・リッチだ。ビューグルの方針は、ニューウォーリーアーズ――コスチュームを着た化け物たちの罪を国民に知らせることに主眼が置かれた。サリーには登録制度の施行は致し方がないと言ったベンだが、デイリー・ビューグルの報道姿勢には疑問を抱かざるを得なかった。
 報道しようとしているのは「爆発」のことばかりで、その原因――つまり、何故その爆発が起きたのかを追及しようとはしていない。事件のスキャンダラスな面をクローズアップし、スーパーヒューマン登録制度を後押しする。デイリー・ビューグルの姿勢の偏りに不満を抱きつつも、一介のサラリーマンであるベンに出来ることは何もないのだった。

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 部屋に戻ったサリーは、エルモ(セサミストリートのキャラクター)のぬいぐるみを抱きしめていた。憂鬱な顔で窓の外を見つめた時、「やぁ、サリー」と聞きなれない声が部屋の中からする。声の主はスパイダーマン。スパイダーマンは、サリーを信用できるジャーナリストだと確信し、部屋を訪ねてきたのだという。
「僕は今まで誰にも正体を明かしたことがなかった」
 スパイダーマンの独白がテープレコーダーに録音され始める。
「素性を明かすことは、とてつもないプレッシャーだよ。僕が未だかつて経験したことのないものだ。これまで、僕は常に正しくあろうとしてきた。制度が施行されたとしても、同じことだ。でも、人々は分かっていない。彼らが、僕に何を問いかけているのかを」
「サリー。去年君が、幼い娘さんを亡くしたことを知っている。記事を読んだんだ。心が引き裂かれそうだったよ。僕も昔、大切な人を亡くしたことがあるから……僕のせいでね。僕にはまだ守りたい人たちがいる。だけど政府は、僕に登録を迫ってくる。さもなくば、牢屋行きさ。素性を明かせば、僕を狙う連中が家族を狙うかもしれないのに」
僕は皆に考えて欲しいんだ。もし同じ立場に置かれたなら、君たちはどうするのかって
 サリーにメッセージを託したスパイダーマンは「明日のアイアンマンの記者会見があるから」と、立ち去っていく。

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 翌朝、スパイダーマンからの情報を元に、サリーはアイアンマンの記者会見場を訪れていた。
 アイアンマンの会見はスタンフォード事件および、スーパーヒューマン登録制度についてのものだった。アイアンマンはスーパーヒューマン登録制度の支持を表明し、マスクに手をかけた。

「以前にも私は正体を明かしたことがあります。ですが、その度に誤魔化してきました。今日こそ、すべてを明らかにしましょう」

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「私はアルコール中毒者のトニー・スターク。全てを清算する日がやって来たのです」

to be continued CIVIL WAR FRONT LINE EMBEDDED#2




 CIVIL WAR FRONT LINE、最前線と名づけられたこのシリーズはいくつかの短編からなります。報道の視点からCIVIL WARを捉えたEMBEDDED、ニューウォーリアーズのメンバーであるスピードボールの裁判の行方を追うACCUSED、CIVIL WARを南北戦争になぞらえて語る3ページのショートストーリーなどなど。
 今回紹介したEMBEDDEDはジャーナリストのサリーを視点人物に、本編では語られなかった部分を補完していくという位置づけになっています。派手なお話では決してないのですが、スーパーヒューマン登録制度が何をもたらしたのか――その影響を知るにはもってこいの短編。かなり読み応えあります。

 なお、時間軸はCIVIL WAR#1の直後ですのであしからず。この直後に、スパイダーマンが全世界に正体を明かすこととなります。

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