S.H.I.E.L.D.のマリア・ヒルの要請によってキューブから放たれたクリーの超人兵士・NOH-VARR。今の彼に、自分の意志はない。キューブの所長の命令されるがままに動く、マリオネットそのもの。しかし、その能力は衰えることはない。そして、哀れなスクラル星人が、NOH-VARRの最初の獲物となった。ランナウェイズの一員、ザビンである。
「
少女の叫びが聞こえる……老人の甘い囁き声……苦痛。みんな、俺の頭から出て行け。俺はスクラル星人のザビンを殺した。老人の声が、そうさせた」
白い、虚無の世界でNOH-VARRは呟く。だが、彼の肉体は老人の――所長の声に従うように出来ている。誰も、彼自身にすらNOH-VARRは止められない。
YOUNG AVENGERS & RUNAWAYS#3
NOH-VARRと最初に接触したのは、カロリーナ・ウィキャン・ハルクリングの三人だった。ザビンが殺されたと声を引きつらせるカロリーナをNOH-VARRが殴り飛ばす。ウィキャンには呪文を詠唱させる暇すら与えず、ハルクリングも一撃で吹き飛ばす。僅か一瞬にして三人を無力化させたNOH-VARRの前に、駆けつけたヴィジョンが立ちはだかる。
ヴィジョン「君の胸と僕の腕を融合させた。もしこれを続ければ、君はただではすまないぞ」
先手を取るヴィジョンだが、NOH-VARRは胸に食い込んだヴィジョンの腕にはまったく躊躇しない。
NOH-VARR「
苦痛は、俺の故郷だ」
ヴィジョン「やめろ。君は重傷を負っているんだぞ。下手をすれば、死……」
NOH-VARR「上出来だ」
ヴィジョンの腕を無理矢理引きちぎり、NOH-VARRはヴィクター・マンチャの前に降り立った。ヴィジョンとの共鳴反応で未だ昨日の回復していないヴィクターには、状況が上手く飲み込めない。そんなヴィクターの窮地を救ったのは、キャシー・ラングだった。ピム粒子で巨大化した彼女が、背後からNOH-VARRを蹴り飛ばしたのだ。
ヴィクター「ああ、君はまるで俺の天使みたいだ……」
キャシー「その話は後でね。それより、今の人は誰なの?」
その頃、NOH-VARRを操作する上空のヘリでは所長がカロリーナ・ザビン・ハルクリングの三人に目をつけていた。地球外生命体である彼らは、所長のいい実験材料になるからだ。ヤングアヴェンジャーズであるハルクリングは攻撃対象に入っていなかったが、これ幸いと所長は三人+ウィキャンを回収させようとNOH-VARRに命令を送るのだった。

ニコ「ヴィクター。あんた、大丈夫なの!?」
ヴィクター「見りゃわかんだろ……」
ニコ・チェイス・ホークアイ・パトリオットが二人と合流する。
チェイス「何があったんだ、キャシー」
キャシー「私たち、協力しあわないと。あいつを五マイル先まで蹴り飛ばしたけど、きっと時間は少ないわ。敵は、一人……」
キャシーとパトリオットの体を衝撃が襲う。活動を再開したNOH-VARRが二人を急襲したのだ。すかさずNOH-VARRを沈黙させようと麻酔矢を放つホークアイだが、矢の軌道は反らされ、キャシーに突き刺さってしまう。
オールドレースで対応しようにも、ニコの凍結魔法の影響でオールドレースは意識を失ったまま。ニコは必死に魔法を唱えるが、一度使用した魔法を彼女は二度と使用することが出来ない。成す術もなくNOH-VARRに殺されようとするニコだが、その寸前で所長がNOH-VARRを回収した。三人+一人の実験材料を得た今、ただの人間でしかないニコたちに所長は興味を失っていたのだ。

一先ず難を逃れたニコは、残りの四人を目覚めさせる。だが、状況がまったく飲み込めない。するとそこへ、左腕をちぎられたヴィジョンがやって来る。彼の説明で、ニコたちは仲間が捕獲されたことを知るのだった。そこへ折悪く戻ってきたモリーとスピード。彼らはNOH-VARRが仲間と戦いを繰り広げている間、ひたすら遊びまわっていたのだ。
チェイス「モリー。お前がいない間にザビンとカロリーナがさらわれたんだぞ。今まで何処にいやがった!?」
モリー「ト、トミー、私……」
チェイス「
言い訳をするな、モリー! もっと大人になれ。聞こえたか!?」
モリーに厳しくあたるチェイスの脇では、パトリオットとニコが今後の行動について話し合っていた。
パトリオット「ヴィジョンが腕の信号を辿って、奴らを追跡できる。そして、奴らに追いついた後、もしも仲間が傷つけられていたなら……生まれてきたことを後悔させてやる。何か言いたいことは?」
ニコ「チェイスはどう思う?」
チェイス「ダチを失うのは、ジャートで沢山だ。だから、こんな馬鹿げたCIVIL WARから遠ざかっていたんだ。
俺たちは、戦争からRUN AWAY――逃げていた。大人たちの戦争だからってな。だけど、そうも言ってられなくなったらしい。奴らは俺たちに手を出してきた。
好むと好まざると、逃げるのはもう終わりだ」
さあ、AVENGE――復讐の時間と洒落込もうぜ。to be continued YOUNG AVENGERS & RUNAWAYS#4
記念すべきアメコミ・アメトイ記事エントリーNo.100はYA&ランナウェイズとなりました。ぱちぱちぱち。スパイダーマンの911コミックの紹介と迷ったんですが、また間が空くと困るのでこちらを選択。
バトルたっぷり、チェイスの台詞が死ぬほど格好いいわ(RUN AWAYとAVENGE。お互いのチーム名を使った言葉遊びが楽しい)、凄まじく面白いコミックです。戦闘シーンの面白さは是非とも現物を手にとって体験して欲しいなぁ。まだTPBの予約は開始されてないけど(苦笑)
明日はこのミニシリーズの最終話を更新予定デス。
私信:
こばの適当日記さん エライこっちゃですよ(笑)デアデビルは投獄なんかされて、自分のタイトルは大丈夫なのかとかw
スーパーガールはエロイことになってますwww
関連タイトル Runaways vol.1
Runaways vol.2
Runaways vol.3
Runaways vol.4
Runaways vol.5
Runaways vol.6
※通常のTPBとは違い、日本の漫画の単行本サイズです。サイズが小さい分、値段もTPBより遥かに安いのが特徴。
Runaways HC vol.1
Runaways HC vol.2
※こちらはハードカバー。値段が張る分、美麗なカバーアートを存分に楽しむことが出来ます。ただし、リリース期間はかなり長いデス。
←YAのTPB。左からvol.1、vol.2
スポンサーサイト
テーマ : アメコミ
ジャンル : サブカル